1. ubiquitous walker─マチ歩きを拡張する新しい経験デザインツール
■ 竹村 私の考える「ユビキタスウォーカー」は、ただ通話したり、目的地までの経路を調べたりするだけのものではない。ケータイとは電話ではない。現実空間を違う視点で覗く虫眼鏡のようなものだ。そういうコンセプトでこの提案は考えています。
Idea1がこれにあたります。
レゴブロックのように、自分でアクティブに欲しい機能だけを集めておき、虫眼鏡で拡大するように自分の欲しい情報をアクティブに収集するためのツールです。
そして、このSH-Mobileラボでさらに提案してるのは、先ほど申し上げた「虫眼鏡」に加えて、「過去の経験を知ることで、現在の経験をより深化させる」ということです。そして、そのことにより、「未来の姿について新しい可能性を考えることができる」ことにもつながる。
私がやりたいのは、経験のブロードバンド化、知識のブロードバンド化です。
知識の深化により、現場を違う視点で歩くことが可能になることによって、人間自身の想像力とか街づくりのビジョンに対して新しい刺激が与えられ、未来に対するデザインビジョンが変わってくるかもしれない。モバイルツールというのは単に便利な情報を提供するだけではない。そこを行き交う住人に違うビジョンを抱かせる可能性がある。
これについては、ゲストメンバーでワークショップにお招きした東京大学の田中浩也さんの「PhotoWalker」と「GeoWalker」がによって「個人をセンサにして都市の経験をこれまでとは違う形でビジュアライズする」ということが、大きな着想の手助けになった。
Idea2と3をご覧ください。
街を歩いているうちに、コンテンツが自動的に溜め込まれ、共有できる。
自分の歩いているルートやほかの人が歩いているルートを可視化し、共有するようなものでエンタテイメントができないか。
都市を歩く経験自体がエンタテイメントなったら楽しいだろう、と。
Idea2の背景のように、子供たちが学校の授業で外を歩き回り、教室に戻ってから、みなの記録を集約してみたら楽しいだろう。
こういうツールとしてモバイルツールを生かしていきたいと考えています。
また、今後も引き続き田中さんをゲストにお呼びして、Photowalkerを使った経験からのご意見をいただきながらツールとしての可能性を広げていけたらと考えております。
そして、一人ひとりの経験が、街の特定の場所にちゃんと可視化される仕組み。具体的にいいますと、人間、道具、環境というところからですが、端末として持っていても個人の知識のみにとどまりやすい。個人の経験がひとつのコミュニティ形成の一員になるような仕組みを、デフォルトの都市環境に組み込んでいけないか。
モバイル=ユビキタスな経験をひとつのコミュナルな可視性としてプロデュースするような、机とかテーブルとかカフェ空間とかをデザインできないか。
ところが、太田さんがかねてから同じような発想を持っておられた。
Idea4がそのビジュアルイメージですが、これは、太田さんのユビキタス時代のテーブル「ubiquitable」と通じるところがある。ubiquitableについては、太田さんから解説いただきたいと思います。
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